朝の職員室、勤務時間前から保護者からの欠席連絡を受け、バタバタしている中、職員朝礼が始まる。そして朝礼が終わると、すぐに生徒が待つ教室へ行かなければなりません。
そんな慌ただしい朝の職員連絡、情報共有をどのような方法で行っていますか。
職員朝礼で、連絡を1つ1つ口頭で伝えていくので時間がかかる。教室に行くのが遅くなり、朝の会の支度ができず困っている、とういうことはありませんか。
この記事では、Teamsでその日の連絡をまとめる簡単な方法を紹介します。実現すれば忙しい朝の時間短縮につながること間違いなしです。
日付スレッド自動投稿方法
概要
Microsoft365の Power Automate、Teamsを連携させて実現します。
設定した時間になるとPower Automateが処理をしてTeamsのチャネルに投稿してくれるという仕組みです。
それぞれのアプリへのアクセス方法です。ブラウザでMicrosoftのスタートページを開くと、左上に3✕3の点々があります。それをクリックすると、アプリの一覧が表示されます。
Teamsの設定
Teamsで職員が所属するチームを作ります。
「チームに参加/チームを作成」から「チーム作成」「プロフェッショナル・・・」とクリックしていくとチームが作成されます。
「3点リーダ」から「チャネルを追加」で、日付スレッドが投稿されるチャネルを作成します。ここでは、「朝の連絡」というチャネルを作成しました。
Power Automateの設定
第1ステップ
日付スレッドをTeamsの「朝の連絡」チャネルに投稿するために、Power Automateの設定をします。
「+作成」をクリックして出てくる「スケジュール済みクラウドフロー」のアイコンをクリックしてください。
「フロー名」を入力、ここでは朝の連絡としました。また、フローを実行する「開始日」や「繰り返し間隔」を設定します。これは後からでも変えることができます。
設定が終わったら、「作成」をクリックしてください。
表示されるフローの中にある「詳細オプションを表示する」をクリックすると、投稿する時間を細かく設定し直すことができます。
「タイムゾーン」は日本時間としてください。
設定時刻は時間と分をそれぞれ複数設定することができます。例えば、時間を「9,10」、分を「00,30」とすれば、9:00,9:30,10:00,10:30に投稿されます。
ここでは1日1回、10:00AMに投稿するよう設定しました。
設定ができたら「+新しいステップ」をクリックします。
第2ステップ
Teamsの投稿欄にどう投稿するか設定します。
検索窓に「投稿」と入力すると、「チャットまたはチャネル・・・」というアクションが表示されるのでそれをクリックしてください。
・投稿者に「フローボット」
・投稿先に「Channel」
・Teamに投稿させたいチーム名、ここでは「先生チーム」
・Channelに投稿させたいチャネル名、ここでは「朝の連絡」
をそれぞれ選択してください。
Messageの欄をクリックして「式」の fx の欄に以下のように入力して「OK」をクリックしてください。以下をコピペしてお使いください。
adddays(convertTimeZone(utcnow(),’UTC’,’Tokyo Standard Time’), 7, ‘yyyy/M/d’)
このコードは、投稿時の7日後の日付を日本時間でyyyy/M/d形式で投稿するという意味です。例えば「7」を「14」とすれば、14日後の日付が投稿されます。
システム内では世界標準時なので、投稿時間を日本時間(24時間)で表示しています。
さらにMessageの欄をクリックして「式」の fx の欄に以下のように入力して「OK」をクリックしてください。以下を(複数行をまとめて)コピペしてお使いください。
createArray(‘日’, ‘月’, ‘火’, ‘水’, ‘木’, ‘金’, ‘土’)?[dayofweek(adddays(convertTimeZone(utcnow(),’UTC’,’Tokyo Standard Time’), 7))]
このコードは、曜日を表示するためのものです。先程の日付を表示する関数で「7」を変更した場合は、この関数の「7」も変更したその数字に変更してください。
この関数の左右を( )で挟み、文字のフォントを適当なものに変えます。ここでは関数も含めて選択し、30ポイント・太字・緑色としました。実行結果は以下の通りです。
毎日10時になると7日後の日付が投稿されます。
運用方法
ルールを決める
連絡は、その日付スレッドの返信に書いていくと日付でまとまります。
書式ルールを決めておくと見やすくなります。
【対象者】要件 がおすすめです。
困ったこと
たくさんの日付スレッドができると、複数の日付スレッドに皆が入力していきます。
最後に入力されたスレッドが、最新のスレッドとして先頭にきます。
つまりスレッドの順番が常に入れ替わるということです。
目的の日付スレッドが見つからないときは、「Ctrl+F」で探すことができます。
朝の連絡チャネルで、Ctrlキーを押しながらFキーを押してください。
検索窓に該当の日付、例えば「10/26」と入力して、Enterを押すと目的の日付が検索されます。
導入して効果は?
メリット
時間短縮の効果はかなりありました。
前日までにほとんどの連絡が入力されているので、余裕をもって当日の準備することができます。
写真や通知文もそのまま投稿できるようになりました。絵文字を入れて投稿するのも楽しいです。
また、Forms形式も投稿できるので、簡単なアンケートも実施できます。
デメリット
このシステムを導入する前、ある期間示しておきたい連絡は、板書して消さずに翌日以降持ち越していました。
Teamsの日付スレッドを利用する場合、毎日同じ投稿を繰り返さなければならないため、やや煩雑になります。
おわりに
朝の連絡を効率化したい、という方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
私自身こういった知識はほとんどありませんでした。Power Automateとは何か?というレベルから何とか仕上げることができました。
しかし、こういったシステム構築まで教員の仕事なのか疑問に感じます。
いつまでも定額働かせ放題ではなく、ICT専門家の各校常駐や、ICT担当教員への正当な報酬の支払い等、教育にもっとお金をかけてほしいものですね。本来の授業準備に一番時間を割ければありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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